【JKの人生相談】研究業績と民間ヘッドハンティング

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 海外在住のイケメンポスドクが悩める女子高生の質問に答える「JKの人生相談」シリーズ。今回は、しっとりしたパンに包まれたつぶあんの控えめな甘さが絶妙な、首都圏在住の女子高生あんぱんさんから質問をいただきました。先日のエントリー、「Piled Higher and Deeper (PhD Comics)」で紹介した、「あの人は今」という、論文引用数が多いのにもかかわらず、アカデミアを去った人を追跡するウェブページについて、下のようなコメントです。

あの人は今を見た感じ畑違いの分野に進んでることが多いですよね。
素粒子だと物理と数学とシミュレーション用にプログラミングが出来て計算機の知識がそれなりにあるぐらいで工学的な知識は無い研究者がほとんどだと思いますから。

物理のしかも素粒子であの引用数ということは天才の集まりで、更にPhDを取得した後に少なくとも数年はアカデミアで研究をしていたはずなので、ビジネス マンとしては出遅れていますがアメリカの企業は研究との関連の有無は関係無しに色んな分野の研究者をチェックしていて引用数その他で飛びぬけた人材がいた らヘッドハンティングをかけてる感じなのですか?

あんぱんさんは、将来物理学をやってみたい女子高生さんですか?たいへん珍しいですね。セーラー服、ルーズソックスにミニスカのあなたが、黒板の前 でチョークを片手に、ちょっと背伸びをしながらテンソルに記号や数字を書き込んでいく姿に、僕は萌え萌えです。クラスメイトののび太系男子に、後ろから羽 交い締めにされないよう、くれぐれも気をつけてくださいね。

 さて本題です。応用ではなく、基礎研究分野で、「アメリカの民間企業は、特定の研究者を直接ヘッドハントするのか」という点に関しては、少なくとも僕は見たことも聞いたこともない、 と申しておきましょう。というわけで、論文の引用数などを民間企業がわざわざチェックし、特にアカデミアで実績のある特定の人材を引き抜こうとしているか というと、そういうことはないと思われます。だいたい、民間企業でリクルーティングをしているただの人が、世界中の天才が集まる素粒子物理分野の研究業績 を評価できるわけがありません。Ph.D.レベルの研究を評価出来るのは、基本的にはPh.D.レベルの専門家しかいないわけですから。仮にしたとして も、引用数のような、キャリブレートしなければあまり意味のない絶対数しか使えないでしょうから、特定の人材を引き抜くための目安としてはあまり役に立た ないのではないでしょうか。

 既出の「あの人は今」は、おそらく飛び抜けて引用数が多かった学者さんがアカデミアを抜けた、ある意味極端な例として「publish AND perish」の現状を揶揄する意図があると思われます。したがって、図抜けた研究者崩れ(?)だけが、このリストにあるような企業に雇われているわけで は、必ずしもありません。

 ただし、飛び抜けて(数学的、論理的に)頭のキレる人材の欲しい企業が、特定の分野の研究者を狙ってリクルーティングをすることは実際にあるようです。MITのビジネススクールの学生で人気ブログを書いていたLilacさんのこの記事に よると、黎明期のGoogleは、ケンブリッジ大学でスティーブン・ホーキング博士の指導のもと宇宙物理学を学んでいた大学院生数人を引っこ抜いてしまっ たらしいです。技術や能力的なマッチングがあったかどうかは、この記事からは分かりませんが、◯◯分野で研究する能力があれば、××をすることは出来ると いうことはしばしば言えるわけで、それが分かっていれば、多少分野が違っていても問題はないと考える企業も少なくないのではないでしょうか。当時の Googleは、これら特定の学生に目をつけていたのではなく、おそらく研究開発に必要な数学的手法が宇宙物理と似通っていたり、単に物理学をトップレベ ルで理解できる頭脳を持つ人間を探していたのではと推測されます。

 基礎研究の特定の学生やポスドクをターゲットにする企業はあまり見たこ とがありませんが、学内のメーリングリストで、興味のある学生から履歴書やレジュメを募るため、企業からメールが出回ることはさほど珍しくありません。数 学や物理学科なら、金融関係のものが多いでしょう。そういった意味では、企業が特定の学問分野の人材をリクルーティングしていると言えるのかもしれませ ん。しかし、基礎研究者がアカデミア以外で職を探す場合、企業から声をかけられるのを待つのではなく、自分から積極的に機会を探しに行くことが求められま す。一定の評価のある大学や研究機関では、ジョブフェアなどで畑違いの研究者を雇いなれている企業と出会える可能性が高いということは言えるでしょう。

  僕は今、主に毒男生態学を理論およびフィールドワークなどを通して研究しているので、素粒子物理学はまったくの専門外です。物理専攻の知り合いや、基礎研 究畑で生きてきた僕自身の経験から、あんぱんさんのJKな質問に答えてみましたが、いかがでしょう。言うまでもなく数少ないデータポイントに過ぎないの で、あまり一般化せず他の研究留学生の口コミやブログなども参考にしてくださいね。携帯の番号を教えてくれれば、さらに(ry。



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Posted at 2011年10月26日 00:13 │管理用コメント(2)トラバ(0)JKの人生相談 | 大学・研究

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【JKの人生相談】研究業績と民間ヘッドハンティング へのコメント

あんぱん says:
2011年10月27日 01:31
お返事ありがとうございます!妹のJKを差し出します。

エントリの内容、非常に参考になりました。

私は物理系で金融関係であればリクナビ等の就活サイトに載らない感じの求人は結構ありましたが、それはクオンツなど高度な数学を使う職種オンリーであって幅は非常に狭いです。

そういう意味ではアメリカのリクルーティングは面白みがありますね。
毒之助 says:
2011年10月27日 02:52
あんぱんさん

> 妹のJKを差し出します。

とりあえず写メを(ry


> 私は物理系で金融関係であればリクナビ等の就活サイトに載らない感じの求人は結構ありましたが、それはクオンツなど高度な数学を使う職種オンリーであって幅は非常に狭いです。

金融業界は他に比べ柔軟なのかもしれないですね。

職種の幅が狭いのは、博士課程レベルでは、どんな専門分野でも結構同じなのではないかな、と思います。専門的な知識やスキルを求めているならそれが理にかなっているし、そういうのが必要ないならわざわざアカデミックな人間を求人する必要もないわけだし、という感じでしょう。

少なくとも「道が敷かれている」といった雰囲気ではないですね・・・


> そういう意味ではアメリカのリクルーティングは面白みがありますね。

日本よりはまったく柔軟だと思います。日本の就活関係の情報をみると、可哀相で涙が出てきます。

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